
二月はフランスの学校では二週間の冬休みがあって(地域によってこの二週間はズレます)、普通のフランス人のご家庭はスキーに行ったりするみたいです。地域によって冬休みがずれるので、混雑もそれなりに緩和されるようですが、やっぱりホテルとか飛行機とかの値段はバカンス価格になります。
私は冷え性で寒いのは嫌いだし、冬はレンヌの曇天に心が落ち込むので、光を求めてモロッコに行ってまいりました。スキーはお金がかかるし、ケガをするといけないお年ごろなので、どうせお金を使うなら異文化を体験しに旅行する方が好きです。
モロッコの古都、フェズ
モロッコは二回目です。フランスからは飛行機で3時間くらいなので、日本の人が韓国や台湾に行く感じでしょうか。
前回はマラケッシュに行ったので、今回はフェズ(Fez)に行ってみました。8世紀に設立されて発展していったメディナ(街)がユネスコの世界遺産となっています。平安時代からの街並みが残っていると考えると、すごいです。
しかも、街ゆく人を見ていると、この町ができたころもこんな服装だったのではないか、と思えるような伝統的なゆったりした服に身を包んでいる人がいたり、ロバでごみ収集をしている人がいたり、どこからともなくスパイスの香りがしてきたり、でも治安の心配はなく…安心して異国、異次元気分を満喫できる素敵な町でした。
フェズの街には9000以上もの小道があるそうですが、街が盆地にあるそうで、すり鉢状になった町の一番底の部分が町の中心部だそうです。道に迷っても、自分が上っているか下っているか意識すると、どちらの方向に行っているかだいたいわかるのが便利でした。

インターネットサイトで空港からのタクシーも、宿泊施設も、遠足も、全て予約できて、ほんと便利な世の中です。
大きなホテルではなく、リヤド(Ryad, Riyad)と呼ばれる中庭のある宿泊施設を介して予約したアパートに泊まりました。リヤドの二部屋がつながっているようなファミリールームを探したのですが、そういうところは見つからなかったので、3部屋あって、6人(ソファーベッドも入れれば12人OK )が眠れるという大きなアパートを借りました。朝食付きで1泊100ユーロしないくらいでした。
朝食はリヤドの屋上で。毎日少しずつ違うパンや、卵料理を青空の下でのんびりといただきました。鳥の鳴き声や、おんどりのコケコッコーが聞こえてくるので、何ともリラックスした気分になります。朝食は8時30分からで、ちょっと遅いかな、と思ったのですが、早くリヤドを出ても特にすることはないので、せっかくのお休みをのんびりと過ごすのに良かったです。
リヤド (Dar El Ouedghiri)のサイトはこちら









ラマダン中のモロッコ旅
今回、うっかりしてラマダンの最中にモロッコにお邪魔してしまいました。
ラマダン中は、イスラム教徒の人は日の出から日没まで水も飲めず、食事もできないという、暑い国で生活するには何とも過酷な1か月を過ごされます。朝早く起きて朝食を食べて、ちょっとまた寝てから仕事に行って、日没後に夕食を食べる(特別なごちそうがあるとか)という感じで、生活のリズムも変えなくてはいけないのでなかなか大変そうですが、社会全体がそれに対応しているので、問題はなさそうでした。大きな商業施設では、18時以降2時間がお休み時間(夕食の時間)となっていました。
フェズでは、日の出と日の入りの時刻に大きな大砲が鳴り、びっくりしました。日の入りが近づいてくると、メディナでは人がたくさん夕食を買いに来て、大混雑でした。車の往来もものすごくなります。で、大砲が鳴ると、町がしばらく静かになります。
その点、外国で(日本とかフランスで)、ラマダンを実施するのはかなり大変なんだろうなあと、ご近所のムスリムの人たちや、娘のお友達のことを思ったりしました。娘が中学校の頃は、ムスリムのお友達が結構いたので、ラマダン中の昼食時間は家に帰る子がいたり、学校の食堂以外の場所で時間をつぶす子がいた、とのことでした。
私が中学生の頃は11時ころからおなかがぐーぐー言って大変だったので、あの年齢でラマダンできる子供たちって本当にすごいと思います。しかも、フランスで生活していたら、スポーツの時間とかもあるし…本当に大変そう。
観光する上では、特に大きな問題はなくて、観光地では観光客用にレストランが一日中開いていました。観光地ではない普通の町では、ショッピングセンターのフードコートも、カフェもレストランも一切閉まっていました。パンなどを買うことはできるので、閉まっているフードコートの片隅で、こそこそとスーパーで買ってきたものを食べることはできそうです。
まあ、一番楽なのは、観光地で昼食を済ませるとこだと思います。
フェズの楽しみ方
フェズには、モスクや王様の住処などいろいろ見どころがあるのですが、入れるところが少なくて、外から門を眺める感じが多かったです。コーランを教える学校は、中に入って素晴らしい建築を見たり、学生に与えられた小さな部屋を見たりできますが、マラケッシュで同様の学校を見たので、特に感激というほどではなかったです。

一番楽しかったのは、メディナのぶらぶら歩きです。ここのメディナはモロッコと違って少し落ち着いていて、オートバイが通ることも少なく、特に午前中はゆっくり見て回ることができました。特に、中心部の衣類や香料を売っているあたりは、静かでとても美しかったです。また、お値段も観光客向けのエリアより安く、良心的でした。




それから、スーパーマーケットも楽しかったです。カルフールはメディナから歩いて30分くらい、マジャン(Marjane)というスーパーはさらに遠かったのでタクシーで行きました(300円くらい)。
どちらも、飛行機で持って帰りやすい品々がたくさんあったので、いろいろ買ってみました。主に瓶に入ったジャム、はちみつや、オリーブオイルや、Amlouというアルガンとアーモンドのペーストをはちみつと混ぜたもの等です。はちみつはオレンジの花のものがおいしかったので(リヤドで味見)、それを買ってきました。くせのないすっきりした味わいで、ほんのり良い香りがします。乾燥したデーツやいちじくなども買いました。
スーパーだと誰にも話しかけられずに、ゆっくりと商品を見られるし、値段の交渉も必要なく、クレジットカードで払えるので助かりました。市場では現金のみです。


フェズ出発のツアー
フェズ出発のバスツアーに参加してみました。バスでVolubilis, Moulay Idriss, Meknesという三つの場所を訪れるもので、一人17ユーロ(3000円くらい)でした。公共交通機関で行くよりは、ずっと効率よく回れるものと思われます。
一番素晴らしかったのはボルビリスです。ここは紀元前3世紀ころにローマ人が作った町だそうで、床に施されていたモザイクがきれいに保存されています。眺めの良い丘にあり、ローマの石の建築物が一部復元されていて、アラブ以前に人々の生活があったことを思い出させてくれます。


次に訪れたムーレイイドリスは、この場所にイスラムの国を作ったイドリス1世のお墓があることで有名な町です。イドリス1世はもともとメッカの方の人だったそうですが、戦いに負けてこの地までやってきて、ベルベル人に受け入れられて789年に新たな国を作ったすごい人だそうです。

この町に行くあたりはもう、うねうね道、でこぼこ道で、乗り物酔いによる吐き気が大変でした。乗り物に酔いやすい人は、寝てしまうのが一番みたいです。帰ってきて、フランスのお医者さんに相談したら、寝ちゃう薬をくれました。
最後にメクネスの街に行き、遅い昼食となりましたが、スープをちょっと口にして終わりにしておきました。
メクネスには大きな屋根付きのマーケットがあって、甘いものや、お肉や、生きた鳥やウサギも売っていて楽しかったです。ごろんと牛の頭がお肉屋さんの床に置いてあったのも、おかしかったです。
帰りは高速道路でスムースに帰れたので、酔うこともなく助かりました。
モロッコのおいしいものたち
モロッコのお料理はスパイスが効いていますが、辛いことはなく、おいしく食べられるものばかりです。
基本はタジンで、肉と野菜などをスパイスでマリネードして、タジンと呼ばれるとんがり帽子の蓋つきお鍋で料理したものをパンと一緒に食べます。大抵、頼まなくてもオリーブやサラダなどが待っている間に出てきたりするので、タジン一つ頼めば十分おなか一杯になります。



クスクスは、お肉や野菜がクスクスという小麦の粒と一緒に出てきます。
トリド(Tride)というのは今回初めて試すことができたのですが、ひもかわうどんのように切ったパイ生地のようなものとお肉をタジンで料理したもので、パイ生地が肉汁を吸っておいしかったです。リヤドのお兄さんおすすめレストランFnaraでいただきました。また、お米のタジン料理も食べてみました。このお米は私にとってはちょっと堅かったけれど、味付けがしっかりしていて、おいしかったです。
小さなレストランYacoutでは絶品ラクダのミートボール入りのご飯にタジン、パスティーヤ(シナモン味のチキンの入ったパイ 私は苦手)をいただきました。ラクダは豚のような味わいで、おいしかったです。

また、よく街で売っている揚げ物を前菜として出しているレストラン(Dar Hammad)があったので、行ってみました。揚げたての三角ブリワット(ひき肉入り)やコロッケのようなパフパフのマークーダ?Maakoudaは絶品でした。


ハリラというスープはトマトベースの優しい味。ラマダン明けに食べるチェバキアという甘い揚げ物のお菓子と一緒に出てきて、このあまじょっぱい味を楽しむのだよと教えてもらいました。

あとはシンプルなサラダが好きです。お店によって多少の違いはあれど、きゅうり、トマト、玉ねぎなどが小さく刻んであって、コリアンダーかパセリの葉っぱやレモンなどとあえてあって、爽やかです。

クスクスやタジンは結構味が濃いし、おなかもいっぱいになるので、疲れているときはサラダとパン、またはハリラとパンだけで結構満足できます。
あとはスーク(マーケット)でちょっとしたお菓子をおやつに買うと楽しいです。
飲み物はミントティをたくさん飲みましたが、フルーツジュースもおいしかったです。スークの外国人用カフェだと、上の方のテラスで飲み物をいただけるので、ラマダンで我慢している人達の目の前で飲食したりしないで済んで、よかったです。


全ておいしくて楽しかったですが、なによりもよかったのは、生フルーツや生野菜を結構いただきながらもおなかを壊さなかったこと。ほんと、助かりました。
ちなみに、帰りにパリの駐車場近くでケバブなどのファーストフードと食べまして、以来三日間、おなかの調子が最悪となっています。
最後に…気を付けることなどなど
というわけで、フェズに4泊してきましたが、とっても楽しくて、リフレッシュできました。違う文化に身を置くと、いろいろな発見があって本当に楽しいです。
フェズの旅、楽しむために何点か気を付けることを挙げてみると…
- パリ、オルリー空港の出国審査が大混雑で、喧嘩が始まったり、泣き叫ぶお母さんがいたり大変でした。そのせいで飛行機も30分くらい遅延しました。必ず2時間前に空港に行き、買い物などで時間を無駄にせずに出国審査に並びましょう。飛行機が待ってくれないこともあります。ちなみに、フェズ到着、出発はスムースで快適でした。
- フェズのスークでは現金のみでもお買い物になります。モロッコの通貨、ディラムが必要です。空港で両替する方が、クレジットカードで引き出すよりもレートは良かったですが、差は小さいのでどちらもOKだと思います。
- スークではいろいろな人から声をかけられます。主に客引きです。偽ガイドもたくさんいるそうです。すべて無視しましょう。特に女性のみでいると、なかなか追い払うのが大変です。「夫がそこで待っているから、いかなくちゃ」というのが一番効果ありました。
- タクシーはメーター使ってって言えばメーター使ってくれます。安いです。
- 言葉はもちろんアラブ語(私はサラマリコン=こんにちは、ショクラン=ありがとう、しか知りません…恥)が話せればいいですが、年配の方はフランス語、若い人は英語が結構話せます。
あとは現地の文化を尊重して、いろいろ学ばせてもらうという気持ちを持てるとよいかと思います。
やっぱり旅はいいものです。

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